エンジニア1年目の残業がきつい…未経験で入った人が「普通か違法か」を確かめる手順【2026年版】
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エンジニア1年目の残業がきつい…未経験で入った人が「普通か違法か」を確かめる手順【2026年版】

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未経験でエンジニアとして入社して数か月。毎日の帰りが22時を過ぎ、土日も疲れて寝て終わる。周りも残業しているので「IT業界はこれが普通なのか」と言い出せずにいる人に向けた記事です。

先に結論を書きます。残業には法律の上限があり、原則は月45時間・年360時間です。 上限の範囲かどうかは、自分の残業時間を記録して数字で見れば判断できます。上限を超えていたり、残業代が払われていなかったりするなら「我慢」ではなく相談の対象です。範囲内でもきつい場合は、原因を分けて打つ手を選びます。

1年目の残業がきつくなる3つの原因

残業がきつい状態は、原因によって打つ手が変わります。まず自分がどれに近いかを見分けてください。

夜遅くまで働くエンジニア1年目のイメージ

作業に慣れていない

1年目は、先輩なら1時間で終わる作業に3時間かかることがよくあります。調べる時間やミスの手直しが積み重なり、定時に終わらない状態です。この場合は、慣れとともに残業が減っていく見込みがあります。

ただし「自分が遅いから」と考えて、申請せずに残る人がいます。会社の指示や業務の量によって残っているなら、それは労働時間です。遅いかどうかと、残業代を受け取れるかどうかは別の話です。

チームや案件が忙しい時期

リリース前や障害対応の時期は、チーム全体の残業が増えます。期間が決まっている繁忙なら、終わりが見えるぶん耐えやすい種類です。

問題は「繁忙期」がずっと続く場合です。半年以上同じ状態なら、人手不足や見積もりの甘さなど、会社の体制が原因になっています。新人が頑張っても解消しにくい種類の残業です。

会社の働き方そのもの

「定時で帰る人はやる気がない」という空気がある会社や、残業を前提に給料が組まれている会社もあります。この場合、1年目を過ぎても残業は減りにくいです。

見分ける目安は、3年目以上の先輩が何時に帰っているかです。先輩も毎日遅いなら、慣れの問題ではありません。

残業時間の上限は法律で決まっている

残業させられる時間には上限があり、会社は労使で「36協定(さぶろくきょうてい)」を結んで労働基準監督署に届け出る必要があります。36協定は、残業の上限を決めておく労使の取り決めです。

上限の中身は次のとおりです(連合の労働相談Q&Aなどで確認。最終確認日:2026-10-10)。

  • 原則:月45時間・年360時間まで
  • 特別条項つきの36協定がある場合:年720時間まで
  • 休日労働を含めて月100時間未満
  • 休日労働を含めて2〜6か月の平均が80時間以内
  • 月45時間を超えられるのは年6か月まで

エンジニア1年目 | 残業時間の見方

自分の残業はどの段階にあるか

会社の36協定の内容によって判断は変わります

法律の上限次にすること
月45時間以内 原則の範囲 ○ 原則の範囲内 ○ 記録と残業代の確認
月45時間超・80時間以内 特別条項が必要 △ 特別条項が無ければ超過 △ 36協定の内容を確認
月80時間超が続く・月100時間以上 休日労働を含む × 上限を超えるおそれ × 記録を持って相談
  • ※休日労働の扱いは「月100時間未満」「平均80時間以内」の計算では含めます
  • ※裁量労働制などで扱いが変わる場合があります

IT転職ナビ

月45時間は、1か月に20日働くなら1日あたり約2時間15分です。毎日21時過ぎまで残る働き方(定時18時の場合)は、ほぼこのラインに届きます。自分の残業がどこにあるかは、感覚ではなく記録で確かめてください。

36協定は、職場で見られる状態にしておくことが会社に義務づけられています。社内ポータルや掲示板に無ければ、人事や総務に「36協定の内容を確認したい」と聞いて問題ありません。

残業代と「勉強時間」の扱いを確かめる

残業時間と同じくらい大事なのが、残業代が払われているかどうかです。1年目に多い引っかかりどころは3つあります。

固定残業代を超えた分

給与明細に「固定残業代」「みなし残業手当」と書かれている場合、決まった時間分の残業代を先に払う仕組みです。決まった時間を超えて残業した分は、別に支払われる必要があります。

固定残業代が何時間分なのかは、労働条件通知書か雇用契約書に書かれています。見方は内定後の労働条件通知書で見る3点の記事で整理しています。

上司の指示で勉強している時間

「業務に必要だから、この技術を勉強しておいて」と指示されて会社に残っている時間は、労働時間に当たります。厚生労働省の労働時間のガイドラインでも、使用者の指示で業務に必要な学習をしていた時間は労働時間として扱うとされています。

一方、自分の意思で自宅で勉強する時間は労働時間ではありません。会社の指示があるかどうかが線引きです。業務外の勉強の考え方は、エンジニア1年目は土日も勉強すべきかの記事にまとめています。

裁量労働制と言われた場合

システムエンジニアの一部の業務には「専門業務型裁量労働制」が使える場合があります。実際に働いた時間ではなく、決められた時間を働いたとみなす仕組みです。

2024年4月の制度改正で、専門業務型でも本人の同意が必要になりました。同意した覚えがないのに「うちは裁量労働制だから残業代は出ない」と言われたら、相談先で確認する価値があります。新人が細かい作業を指示どおりにこなす働き方は、もともと裁量労働制の考え方と合いません。

きついと感じたら最初にやる3つのこと

辞めるかどうかを決める前に、判断の材料をそろえます。材料が無いまま辞めると、次の会社でも同じことが起きたときに見分けられません。

  1. 残業の記録を毎日つける:出社と退社の時刻、休憩、何の作業をしていたかをメモする。勤怠システムの記録と実際がずれているなら、両方を残す
  2. 給与明細と雇用契約書を見比べる:固定残業代の時間数と、実際の残業時間を並べる
  3. 上司に作業量を相談する:「今の担当を定時内に終えるにはどこを減らせばいいか」と、作業の優先順位を聞く形にする

上司への相談は、責める言い方にしないのが通りやすいです。「残業がきついです」だけでは話が進みません。「今週は○○と△△で合計○時間かかっています。どちらを優先すべきか決めてもらえますか」と、数字と選択肢を出すと判断してもらいやすくなります。

記録は、上司に相談するときにも、外部に相談するときにも使えます。メモはスマートフォンでも構いません。会社のPCだけに残すと、退職後に見られなくなる点に気をつけてください。

外部の相談先は無料で使える

会社の中で解決しない場合や、上限を超えている疑いがある場合は、外部の窓口に相談できます。どちらも厚生労働省の窓口で、相談は無料です(最終確認日:2026-10-10)。

無料の相談窓口に話を聞いてもらう場面
  • 労働条件相談「ほっとライン」:電話 0120-811-610。平日17時〜22時、土日祝9時〜21時(12月29日〜1月3日を除く)。違法な時間外労働や賃金不払いの残業の相談ができる
  • 総合労働相談コーナー:各都道府県の労働局や労働基準監督署の中にある。予約不要で、面談か電話で相談できる

相談したからといって、会社にすぐ知られるわけではありません。まずは「自分の状態が法律上どうなのか」を聞くだけでも使えます。最新の受付時間は公式サイトでご確認ください。

辞めるか続けるかを決める目安

残業がきつい状態でも、すぐ辞めるのが正解とは限りません。判断の目安を3つに分けます。

続けてよいケース

残業が月45時間以内に収まっていて、残業代も払われている。忙しいのは一時的で、先輩は定時付近で帰れている。この条件がそろうなら、慣れとともに楽になる見込みがあります。半年ほど様子を見る価値があります。

早めに動いたほうがよいケース

残業が月45時間を超える月が続く、または残業代が払われていない。先輩も含めて全員が毎日遅い。この場合、1年目を過ぎても状態が変わりにくいです。在職中に記録を残しながら、転職の準備を始めます。

すぐに休むべきケース

眠れない、食欲がない、朝に体が動かないといった状態が続いているなら、仕事より体調を優先してください。まず医療機関を受診し、必要なら会社を休みます。働き続けるかどうかの判断は、体調が戻ってからで間に合います。

1年目で辞めると転職に不利になると心配する人は多いです。ただ、残業の多さは面接で「前向きな理由」に言い換えられます。伝え方は試用期間中に辞めたいときの記事でも触れています。

次の会社で同じことを繰り返さないために

転職するなら、次の会社の残業の実態を入社前に確かめることが大事です。求人票の「月平均残業20時間」は、全社の平均で配属先とは違う場合があります。

面接や面談で確かめたいのは次の3点です。

  • 配属予定のチームの、直近3か月の平均残業時間
  • 固定残業代の有無と、何時間分か
  • 繁忙期はいつで、その時期の残業はどのくらいか

直接聞きにくい場合は、転職エージェントに確認を頼む方法があります。エージェントは企業とやり取りしているので、個人では聞きにくい残業の実態を代わりに確認してもらえることがあります。どこまで分かるかは担当者や企業によって違います。

1年目で今の会社から移りたい20代なら、第二新卒向けのエージェントが相談先になります。残業の少ない会社を探したい、1年目の経験を職務経歴書にどう書くか分からない、といった段階から相談できます。

エージェントに相談しても、すぐに転職を決める必要はありません。今の会社に残るか移るかを比べる材料として使えます。自分に合う職種や働き方を先に整理したい人は、IT/Web転職タイプ診断(無料)も使えます。

よくある質問

1年目は残業が多くて当たり前ですか

当たり前ではありません。慣れない作業で時間がかかるのは自然ですが、残業時間の上限は1年目にも同じように適用されます。月45時間を超える状態が続くなら、会社の36協定の内容を確認してください。

残業を申請しづらい雰囲気です。どうすればいいですか

まず自分で実際の出退社時刻を記録してください。申請していない残業でも、会社の指示や業務量によって残っていた時間は労働時間に当たります。記録があれば、上司や外部の窓口に相談するときの材料になります。

定時で帰ると評価が下がりませんか

会社によって空気は違いますが、評価は本来、成果や作業の質で決まるものです。帰りにくい場合は、その日の作業の進み具合を上司に伝えてから帰ると、サボっている印象を持たれにくくなります。

勤怠システムの時刻が実際と違います

実際の時刻を自分でも記録し、ずれがあることを残してください。記録を勝手に書き換えるよう指示されている場合は、ほっとラインや総合労働相談コーナーへの相談を検討してください。

まとめ

エンジニア1年目の残業がきついときは、次の順番で確かめます。

  1. 残業の原因が「慣れ」「一時的な繁忙」「会社の働き方」のどれかを見分ける
  2. 自分の残業時間を記録し、月45時間・年360時間の原則と比べる
  3. 固定残業代の時間数と、指示された勉強時間の扱いを確かめる
  4. 上限を超えている、残業代が出ていない場合は無料の窓口に相談する
  5. 続けるか移るかを決め、移るなら次の会社の残業の実態を入社前に確かめる

体調に異変が出ているときは、どの段階でも休むことを優先してください。

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参考情報

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、転職・収入を保証するものではありません。個別の労働問題については、労働基準監督署などの公的窓口や専門家にご相談ください。